一般泌尿器科疾患
男性で尿勢低下の症状が出たら、まず前立腺肥大症を考えます。前立腺肥大症とは、膀胱の下にある前立腺が肥大して尿道を圧迫し、排尿障害を来たす状態です。加齢と男性ホルモンが影響し、男性であれば誰しもが少なからずご経験するものだと思われます。
主な症状は尿勢低下、残尿感などです。
過活動膀胱(女性泌尿器の頁へ)と同時になる方も多いので、頻尿や尿意切迫感も症状として現れます。
治療は、薬物療法が主ですが、重度の方は手術が必要な場合があります。
夜間頻尿は排尿症状の中で最も支障度の高い症状で、特に夜間2回以上の方は睡眠を阻害し、生活の質(QOL)を障害すると言われています。従来の過活動膀胱や前立腺肥大症の治療薬をお飲み頂くことで、ある程度夜間頻尿の改善は見込まれていましたが、十分な治療効果は発揮できていませんでした。
お困りの方がとても多くいらっしゃるので、一度ご相談ください。
尿路(膀胱や腎盂、男性では前立腺や尿道など)に細菌が棲みつき、増殖して炎症を起こした状態を尿路感染症と言います。感染場所によって膀胱炎や腎盂腎炎などといわれています。
治療には、細菌を殺す抗菌薬の投与が必要です。感染部位や重症度によって投与期間が異なります。治療が効くと症状は数日で良くなりますが、お薬はすべて飲み切るようにしてください。途中で薬を中断してしまうと、細菌が再度増殖し再発してしまうからです。
腎臓で出来た結石が細い尿管に落下して、急激に閉塞して発症します。通常、痛みは発作的に強く、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。症状はお薬によりかなり緩和でき、多くの小結石は自然排石可能ですので、お薬や水分摂取で対処することが多いです。
尿管結石は、放置し腎盂腎炎を合併してしまうと緊急入院と尿管ステント留置(腎臓に溜まった混濁尿を出すため)が必要になります。特に高齢の方は炎症が重症化する可能性があるため注意してください。
腎臓内に生じた結石を腎結石と言います。尿管結石と異なり、腎結石はほとんど痛みませんが、大きくなる(サンゴ状結石)と、比較的大変な手術が必要になります。
また生まれつき結石が出来やすい方はお薬で結石を溶かす方法がありますが、一般的には結石を溶かすことはできません。必ずしも治療は必要ありませんが、ご心配な場合などはご相談ください。
尿中に血液が混じっている状態です。程度によって顕微鏡的血尿(尿潜血)から肉眼的血尿(見た目でわかるもの)と名称が変化します。また、血尿は腎性のものと泌尿器科疾患のものと大きく分かれます。
泌尿器科において血尿は重要なサインであり、特に無症候性(排尿時痛や頻尿などの症状が無い)肉眼的血尿の場合は泌尿器科悪性腫瘍(膀胱がんなど)の可能性があります。膀胱がんは、若年発症のケースや、タバコの影響などもありますので、心配な方は精査をお勧めします。
腎臓は血液内の老廃物を濾過して尿中に排泄します。通常は尿中に存在しないたんぱくですが、腎臓に異常があると、たんぱくが濾過の網目を通過し尿中に排泄されてしまいます。腎性血尿も血液が同様の原理で尿中に混じってしまうことを言います。
腎臓の異常は、慢性糸球体腎炎といって、腎臓の機能がどんどん悪化してしまう病気の可能性があります。血液透析など将来への影響が大きい場合もあるので、専門の腎臓内科医をご紹介します。
腎臓は血液内の老廃物を濾過して尿中に排泄します。通常は尿中に存在しないたんぱくですが、腎臓に異常があると、たんぱくが濾過の網目を通過し尿中に排泄されてしまいます。腎性血尿も血液が同様の原理で尿中に混じってしまうことを言います。
腎臓の異常は、慢性糸球体腎炎といって、腎臓の機能がどんどん悪化してしまう病気の可能性があります。血液透析など将来への影響が大きい場合もあるので、専門の腎臓内科医をご紹介します。
腎泌尿器科領域では前立腺がん、腎がん、腎盂・尿管がん、膀胱がん、精巣がんなどがあります。
より高度な精査や治療等の必要があれば医療連携病院などへご紹介いたします。
以下、代表的なものを少しとりあげます。
前立腺がんは初期の頃は症状がありません。診断には、PSA(前立腺特異抗原)測定が特に有用で、早期発見のため50歳以上の方は一度検査をお勧めします。治療の一つであるホルモン療法は当院でも実施可能ですので、ご心配な方は一度ご相談ください。
膀胱がんの症状は血尿や頻尿で、多くの場合、初期から症状がみられます。
タバコが罹患の危険因子で、男性の方が少し発症しやすいです。
検査は、尿中のがん細胞を調べる尿細胞診検査や、膀胱のエコーも有用ですが、初期がんの場合は少し診断の確実性が下がります。どの場合でも、膀胱鏡検査を行えば診断可能ですので必要な際はご案内いたします。
腎腫瘍は良性のこともありますが、エコー検査だけで腎がんとの違いを診断することは難しいです。腫瘍マーカーは存在しないため、CTやMRIなどの画像検査が必要になります。初期がんでも腹腔鏡やダビンチ手術を行うケースが多いのも特徴かも知れません。
精巣に痛みの少ないしこりができたら要注意です。
専門医であれば基本的に即時診断可能なケースが多いですが、特有の腫瘍マーカーも存在するため補助診断として測定することもあります。
がんの場合、精巣を摘出する手術が必要なため、疑わしい場合は早めにご相談ください。